CGWORLD v.230 に寄稿させていただきました

久しぶりの更新が宣伝というのもアレですが・・・

2017/09/08発売 の CGWORLD v.230 に掲載の特集記事「すぐに役立つTIPSとアプローチ ワンランク上のキャラクターリギング」に、株式会社コロッサス名義で「ダイナミックコントロールリグのためのツール活用術」というタイトルの記事を寄稿させていただきました。

地味に手間のかかる馬の手綱セットアップを例として、ダイナミックリグの作成方法と、ツールによって作業を簡単化する方法を紹介しています。

また、スクリプトは書いたことがあるけれど、APIまでは手を出したことがないという方向けに、Maya Python API 2.0によるOpenMayaの基本的な使い方の解説と、メッシュ上の最近接点の取得や、カーブ上の一点が持つ各ベクトルからのマトリクス組み立てといった、覚えておくと色々な場面で役に立つ内容も盛り込んでみました。

また、現在在籍している「株式会社コロッサス」のブログにて、ツールの配布等もしておりますので、ぜひ本誌を手に取っていただけると幸いです。

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Interactive Houdini

Houdini Advent Calendar 2016 18日目に投稿させていただいた記事です


■はじめに

Houdiniには外部デバイスからインタラクティブにデータを入力する機能があります。

今回は、その機能を利用して外部に接続した各種フィジカルデバイスの操作から、Houdiniへデータを入力する方法を色々と書いてみたいと思います。

手頃に試せそうな例として、ここでは以下のデバイスからの入力を試してみます。

・マウス
・ペンタブレット

・キーボード
・MIDIコントローラ


■環境

・Windows10 64bit
・Houdini Indie 15.5.673


■まずは今回取り上げるCHOPに共通する予備知識

今回取り上げるCHOPは以下の通りです

Mouse CHOP
Keyboard CHOP
MIDI In CHOP

・CHOPデータの在り処について

CHOPのデータは、「CHOPチャンネル」が持っています。
CHOPチャンネルのデータへアクセスする際は、CHOPノードだけではなく、CHOPノード内にあるCHOPチャンネル名まで指定する必要があります。

・CHOPデータの詳細確認

CHOPノードを中ボタンでクリックするとCHOP内のチャンネル数や、開始/終了フレーム、サンプルレートなどの詳細情報が表示されます。

赤く囲んだ部分には、このCHOPに含まれるチャンネル名と値が表示されています。
この例の場合、ステレオのオーディオファイルを読み込んでいるので、このCHOPには左右2チャンネルの波形データが含まれていることがわかります。
そして、チャンネル名は左右でそれぞれ chan0 chan1 が割り当てられています。

・CHOPチャンネルへのパス

CHOPチャンネルへのパスは、CHOPノードへのパス+CHOPチャンネル名で指定します

~/chop_name/channel_name

上記の例で言うと、WAV_FILE(File CHOP) の chan0 チャンネルへのフルパスは以下のようになります

/obj/driver_chopnet/WAV_FILE/chan0

・CHOPチャンネルへのアクセス

CHOPチャンネルの各情報は、chop系エクスプレッション関数を使って取得します。
これらの詳細はマニュアルを参照してください。

  • chop : 現在時間でCHOPチャンネルの値を取得
  • chope : CHOPチャンネルの終了インデクスを取得
  • chopf : 指定フレームでCHOPチャンネルの値を取得
  • chopi : 指定サンプルポイントでCHOPチャンネルの値を取得
  • chopl : CHOPチャンネルの長さをサンプル数で取得
  • chopn : CHOP内のチャンネル数を取得
  • chopr : CHOPのサンプルレートを取得
  • chops : CHOPチャンネルの開始インデクスを取得
  • chopt : 指定した時間でのCHOPチャンネルの値を取得
  • chopcf : 指定フレーム、指定チャンネルインデクスでCHOPチャンネルの値を取得
  • chopci : 指定サンプルポイント、指定チャンネルインデクスでCHOPチャンネルの値を取得
  • chopct : 指定時間、指定チャンネルインデクスでCHOPチャンネルの値を取得
  • chopstr : 現在時間でのCHOPチャンネルの文字列データを取得

先の例で登場したCHOPチャンネルが持つ現在時間のデータが欲しい場合は、データを呼び込むパラメータボックス内で以下のエクスプレッションを使用します。

chop( “/obj/driver_chopnet/WAV_FILE/chan0” )

・CHOPチャンネルの波形データを確認する

CHOPの波形データは、CHOPノードの右端にある[Graphフラグ]をオンにすることで、Motion FX Viewに表示されます。

Motion FX View

・CHOPデータのサンプルレート

CHOPでは様々な波形データを扱うことができます。
波形データは自由に再生時のサンプルレート(一秒あたりのデータ数)を指定できるようになっています。

サンプルレートの高いオーディオデータを30fps設定のシーンでアニメーションカーブとして使う場合、サンプルレートを30にリサンプルしてから使用するのが負荷軽減につながって良いのではないかと思います。

サンプルレートは、File CHOPのChannelタブ内またはResample CHOPにあるSample Rateパラメータで指定します。

・上で読み込んだWAVデータの波形を30fps化したところ

・外部から入力されたデータのレコーディング

外部から入力されたデータを記録しておき、再生することができます。
MIDIデータを外部から入力するMIDI In CHOPなどは、入力されたMIDIデータを自分自身に記録する事ができるようになっていますが、Record CHOPを下流に接続してそちらで記録するほうがデータの取り回しの面で良いと思います。

レコーディングは、データ入力CHOPの下流に Record CHOPを接続し、Record パラメータをオンにした状態で行います。


■というわけで、早速やってみよう

CHOP入力→レコーディング→再生の流れは、今回紹介するどのCHOPでも変わらないので、まずはMouse CHOPの簡単なチュートリアルで作業の流れを掴んでみます。


■Mouse CHOPチュートリアル

1・CHOPコンテキストにCHOP Networkを作成します

2・CHOP Network の中に Mouse CHOPを作ります

3・Mouse CHOPのGraphフラグをオンにしたあと、Motion FX Viewを表示します

4・Mouse CHOPの下にRecord CHOPを接続します

5・Record CHOPのRecordパラメータをOnにし、シーンを再生します

この時、シーンのリアルタイム再生モードをオンにしておくと実際のフレームレートでレコーディングできます。

また、再生モードを Play Onceにしておくことでリピート再生をオフにし、うっかり開始フレーム付近を書き換えてしまうのを防げます。

6・マウスカーソルを自由に動かし、グラフが描かれていくのを確認します


各カーブの上には、対応するカラーでチャンネル名が表示されています。(geo1:txgeo1:ty

7・記録できたら、Record CHOPのRecordをOffにします

8・/obj/に新たにBoxオブジェクトを作ります

9・boxオブジェクトのTranslateX/Yにエクスプレッションを設定します

・TranslateX
chop(“../../ch/ch1/record1/geo1:tx”)

・TranslateY
chop(“../../ch/ch1/record1/geo1:ty”)

10・シーンを再生して結果を確認します

boxオブジェクトが、マウスが動いたとおりに移動するのが確認できます。

11・ペンタブレットをお持ちの場合

Mouse CHOPのUse Tabletをオンにして、同様の操作をすることで、筆圧やペンの傾きなどを検知し、記録できる事がわかると思います。
Pressure CHOPチャンネルを boxオブジェクトのUniform Scaleパラメータにアサインすると楽しいかもしれません。


■データ入力手順のまとめ

これが外部入力系のCHOPを使うワークフローの基本的な手順です。
手順をまとめると以下のようになります。

1・外部入力を受け付けるCHOPを作成
2・CHOPにデータの窓口となるCHOPチャンネルを作成
3・任意のパラメータからchop関連のエクスプレッション関数でCHOPチャンネルのデータを参照する

これはその他のデータ入力CHOPを使った場合も同様です。
これだけ理解できれば、あとは応用して色々できるはず。


■Keyboard CHOPチュートリアル

Mouse CHOPに続いて、Keyboard CHOPチュートリアルです

1・CHOPコンテキストにCHOP Networkを作成します

2・CHOP Network内にKeyboard CHOPを作成します

3・Keyboard CHOPの設定をします

Name 1

どんな名前でもいいのですが、ここでは [key_a] と記入します。

Type 1

そのままにします。

Type 1の右側にあるプルダウンメニュー

 [A] を選択します。

同様に、Name 2~Name 4まで、それぞれ同様に s,d,w キーを割り当てます。


4・Interceptモードをオンにします

キーボード上にあるScroll Lockキーを押し、Interceptモードをオンにします。

現在時間がオレンジ色になります。

5・キーを押して反応を確かめます

 a,d,wを同時押しした様子

あとは、Mouse CHOPのチュートリアルと同じ方法で、下流にRecord CHOPを繋いでレコーディングできます。

Interceptモードではキーボード入力が無視されるのでマウスでシーンの再生ボタンを押してください。

chopエクスプレッション関数による値の取得も同様に行えます。


■MIDI In CHOPチュートリアル

最後に、MIDI In CHOPを使用してMIDIコントローラから入力するチュートリアルです

1・CHOPコンテキストにCHOP Networkを作成します
2・CHOP Network内にMIDI In CHOPを作成します

3・MIDI In CHOPの設定をします

・Sourceタブ

MIDI Source : MIDIIN2 (Launchpad Pro)
MIDI Channels : 1

※MIDI Sourceは、各々がお持ちのMIDIデバイス名を選択してください。

・Noteタブ

Note Scope : 0-127
Aftertouch Name : af

4・鍵盤を叩き、反応を確かめます

・ch1n60 (音階で言うとど真ん中の[ド])を押したところ

今回使用したLaunchpad Proはアフタータッチ対応のMIDIコントローラなので、打鍵後に鍵盤を更に押しこむ事でafチャンネルを変化させることができます。

あとは、Mouse CHOPのチュートリアルと同じ方法で、下流にRecord CHOPを繋いでレコーディングできます。

chopエクスプレッション関数による値の取得も同様に行えます。


■おわりに

今回ご紹介したテクニックを使うことで、直感的なデータ入力ができるようになります。

例えば、特定のキーを押したタイミングでパーティクルを発生させたり、ジオメトリの頂点カラーを変化させたり、キーボードを叩くたびに乱数のSeed値を変化させて、次々と予想だにしないビジュアルを作り出すこともできるでしょう。

また、キーを押す強さが強いほどパーティクルの発生量を多くしたり、色を濃くしたりと言った、複雑な表現もできるようになります。

Joy To Keyのようなツールを併用することで、手に馴染んだゲームコントローラを操作してHoudiniへのデータ入力を行うことも簡単にできます。

また、今回はNetwork CHOP や Pipe In CHOPは使用しませんでしたが、これらも使いこなせばなかなかに楽しいことができそうなCHOPなので、いずれ折を見て記事にしたいと考えています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
何か不明点や間違いがあれば、記事へのコメントやTwitterなどで質問、ツッコミください。


■おまけ

以降は、今回使用したCHOPのマニュアルみたいなものです。


■マウスからの入力 : Mouse CHOP

マウスのカーソル位置を取得することができます。
タブレットを使用している場合は、筆圧やペンの傾きなども取得できます。

・PositionX/Y

ここで指定した文字列が、それぞれに対応するCHOPチャンネル名になります。
画面左下から右上に向かって値が増えていきます。
Xの範囲は-1~1、Yの範囲は-0.8~0.8

・Use Tablet

オンにするとPressureやAngleなど、タブレット向けパラメータが有効になります。
PositionX/Yと同様、ここで入力した各文字列が、それぞれに対応するCHOPチャンネル名になります。


■キーボードからの入力 : Keyboard CHOP

指定したキーが押されたとき、Typeで指定した方法で値を入力します。

このノードを動作させるためには Interceptモード をオンにする必要があります。
Interceptモードをオンにするには、Scroll Lockキーを押しScroll Lockを有効化します。

Interceptモードが有効になると現在フレームがオレンジ色に着色されます。
この状態でキーイベントを取得するよう設定したキーを押すことで、値が入力されます。

・Modifier Keys

使用する修飾キーを指定します。

上記画像の例では、[A]を押している間だけCHOPチャンネル[a1]の値が1になります。

・Name

対応するキーが押されたときにオンになるCHOPチャンネル名を指定します。

・Type

キーを押したときの動作

Momentaly:押しているときだけ1を送出
Toggle:押すたびに0と1を切り替え
Count:押すたびに1ずつ値が増える
Pulse:押した瞬間だけ1を送出
Time:シーン再生中にキーが押され続けた時間

・Key

このチャンネルに値を入力するキーを選択


■MIDIデバイスからの入力:MIDI In CHOP

MIDIキーボードやフェーダーコントローラなどを使用して、Houdiniに外部から直接MIDIデータを入力することができます。
また、MIDIファイルを直接読み込む事もできます。

・Sourceタブ

MIDI Source

MIDI信号の入力ソースを指定します。
MIDIファイルやMIDIデバイスを選択できます。
インタラクティブな入力を行いたいなら、接続済みのMIDIデバイス名を選択します。
すでに作られた楽曲などを入力したいならMIDI Fileを選択します。

MIDI Channels

入力するMIDIチャンネルの番号を指定します。

入力するMIDIチャンネル数が多いと入力データの転送に時間がかかります。
例えば、使用するノート番号の範囲が0-127の場合、使用するMIDIチャンネル1つごとに128個のデータを解釈することになります。
そこでアフタータッチをポリフォニックモードで解釈させるとなると、さらに128倍の負荷がかかります。
そのため、インタラクティブに操作したい場合は入力するMIDIチャンネルを一つに絞ったほうがいいと思います。
複数のMIDIチャンネルを入力するのは、MIDIファイルを入力する時のみで良いでしょう。

入力を許可するMIDIチャンネル番号は以下のように指定できます

・スペース区切り(個別指定)

1 2 10 11

・ハイフンでつなぐ(範囲指定)

1-10

Channel Prefix

入力するMIDIチャンネル番号を識別するために付加される接頭辞を指定します。
ここで指定した文字列のあと、入力されたMIDIチャンネル番号が付加されます。
この値が[ch]の時、CHOPチャンネル名は以下のような書式になります。

ch1
ch2

Echo Messages to Textport

オンにすると、受信したMIDIメッセージの内容がHoudini Consoleに表示されます。
デバッグに便利なので必要に応じてオンにします。

・Recordタブ

レコーディングには、MIDI In CHOPの下流に接続するRecord CHOPを使用するので、ここでは何も変更しません。

・Noteタブ

主にMIDIコントローラの鍵盤部分とピッチベンドコントローラからの入力信号の解釈方法を決定するタブです。

・チャンネル名パラメータ

チャンネル名パラメータは、対応するMIDI信号を受けとるCHOPチャンネルを作成します。

Note Name : ノートナンバー
Velocity Name : ノートのベロシティ
Aftertouch Name : ポリフォニックキープレッシャー
Pressure Name : チャンネルプレッシャー
Pitch Wheel Name : ピッチベンド

ここで指定した文字列が、MIDIチャンネルを示す文字列のあとに続きます。
例えば、Note Nameの値が[n]なら、MIDIチャンネル1のノート番号60の値を受け取るCHOPチャンネル名は以下になります。

ch1n60

これらのCHOPチャンネル名パラメータに何か文字列が入力されると、その時点でCHOPチャンネルが作成され、データの入力待ちが開始されます。
使用しないMIDI信号の入力については負荷軽減のため何も入力しないのがベターです。

Note Scope

入力を受け付けるMIDIノートナンバーの範囲を指定します。
0-127の範囲が使えます。
Sourceタブの MIDI Channels と同様の書式で指定できます。

Note Output

・One Multiplexed Channel

ノート信号を番号ごとに分けず、一つのチャンネル内で押されたノート信号をすべてまとめて使用します。

この時、CHOPチャンネル名にノート番号は付かず、以下のような名前になります。

ch1n : チャンネル1のノートすべて

・Separate Channels

ノート信号をノート番号ごとに個別のチャンネルとして入力します。
この時、CHOPチャンネル名は以下のようになります。

ch1n60 : チャンネル1のノート番号60番
ch1n127 : チャンネル1のノート番号127番

Velocity

MIDI Note信号のVelocityをどのように受け取るか指定します。

・Off

Velocityを入力しません
ノートを入力するCHOPチャンネルの値はオンオフの2値になります。

・Note Amplitude

ノートを入力するCHOPチャンネルの値が、Velocityの値になります。

・Separate Channels

Note信号の値はオンオフの2値になります。
同時に、Velocityは次のVelocity Nameで指定された接頭辞とノート番号で表されるCHOPチャンネルの値として取得されます。

Normalize

入力されるVelocityデータの値の範囲を指定します。

・None

値は 0-127 の範囲で入力されます。

・0-1

値が 0-127 を 0-1 にマッピングした状態で入力されます。

・Controlタブ

MIDI CCメッセージに関する解釈方法を決定するタブです。
MIDIキーボードにスライダやツマミが付属している場合がありますが、そのような鍵盤以外のコントロールから送信されるデータに関する入力設定です。

・チャンネル名パラメータ

チャンネル名パラメータは、対応するMIDI信号を受けとるCHOPチャンネルを作成します。

Controller Name : CCメッセージ
Program Change : プログラムチェンジメッセージ

Controller Type

一般的なMIDI音源やDAWなどで共通してMIDI CCメッセージへ割り振られているコントロールを、わかりやすくプルダウンメニューから指定できます。

Controller Index

取り扱うMIDI CCメッセージのコントロールナンバーを直接指定します。
0-127の範囲が使えます。
Sourceタブの MIDI Channels と同様の書式で指定できます。

Controller Format

・7 bit Controllers

扱うCCメッセージがLSB/MSBに対応していない場合はこちらを選択します。

・14 bit Controllers

扱うCCメッセージがLSB/MSBに対応している場合はこちらを選択します。

Normalize

入力された値の範囲をリマップします。

・None

リマップしません

・0 to 1

0~1にリマップします

・-1 to 1

-1~1にリマップします

・On / Off

ブール値化します

Unwrap

これはちょっとよくわかりませんでした。
ラベルから察するに、ターンテーブルのような値をインクリメント/デクリメントするコントローラ向けに、値が0-127の範囲外にセットされたときに値をループさせるか否かを決めるオプションのような気がします。

 ・Sysタブ

MIDIクロックメッセージやシステムメッセージに関する解釈方法を決定するタブです。
今回は、手元で検証できる環境がないので端折りますが、この辺をちゃんと設定すれば外部のDAWとHoudiniの間で内部時間や、再生操作や停止操作などを同期できるはず。

MYAM_QuickSelector 途中経過

今年の1月末くらいに作り始めたのはいいものの、公私ともに忙しく、なかなか手がつけられなかったツール「MYAM_QuickSelector」が、このGWでだいぶ形になってきたので、途中経過を駆け足で記事にしてみます。

Qtは目的に到達するまでの手続きが多く面倒な部分も多いですが、慣れるて来るととても楽しいです。もうMaya標準のGUIライブラリは触れません。


■画面サンプル

bandicam 2016-05-08 22-32-34-391

好きな画像をツール上からキャプチャし、背景に置いた状態で好きなノードに対応するボタンを配置し、いつでも簡単に選択できるようになります。
選択できるアイテムはいわゆるDAGオブジェクトだけでなく、マテリアルなどのDGノードにも対応します。


■マルチプラットフォーム(DCCツール間)

bandicam 2016-05-08 23-10-05-047

Maya上でもHoudini上でも全く同様に動作します。(現在はMayaのみ対応ですが)
その他にも、最小限の拡張でPySideが使えるすべてのDCCツールに対応可能です。
DCCツールを変えた時にも、操作法が統一されていると覚え直す必要もなく楽です。


■キャプチャ機能

bandicam 2016-05-08 23-13-10-644

Bandicamのようにウインドウを使ってキャプチャ範囲を指定して、背景画像として取り込むことができます。


■セレクターボタンは任意の画像が使えます

bandicam 2016-05-08 23-12-43-450

ジョイントやコントロールリグなど、タイプごとに任意の画像をアイコンとして設定できます。
また、各アイコンのサイズも自由に変更できるため、よく使うコントローラを目立たせておくなど、視認性を高められます。
アイコン置き場フォルダに任意の画像を格納しておけば、自動的にツール内で使用できるようになります。


■その他

その他にも、配置したボタンの整列なども手軽に行なえます。


もう少し洗練して、早くリリースしたいなあ。

MYAM_genericSelector(仮名)を作り始めました

昔とある仕事場で作成した MYAM_quickSelector2 の後継ツールをQtで作り始めました。

前述のツールの機能に加え、足したい機能は大体以下の様な感じです

・オブジェクトアイコンに任意の画像が使用できる
・オブジェクトアイコンのサイズや形状を自由に変更できる
・Maya/MotionBuilder/Houdiniあたりで共通して使えるようにする
・選択オブジェクトのグループ登録/簡単選択

まだほとんど仮組みの状態ですが、完成したらCreative Crashあたりで公開すると思います。

MYAM_genericSelector_SS001

Ricoh THETA S でIBL画像を作成するためのスクリプトを書きました

簡易的なIBL用のHDRIを作成するため、素材になる天球マップ画像をRicoh THETA SをiPhoneで遠隔操作して手軽にオートブラケット撮影できるようにしてみました。

撮影方法は、ISOを固定しEVを変化させて行う露出ブラケット撮影になります。
今の所、使用する撮影モードではシャッタースピードを同時に操作できなそうなので、自動設定にしてあります。

THETA SはRAWデータでの撮影ができず、また撮影時に厳密なホワイトバランス設定などもできないので精度は落ちますが、簡易的に使用するにはそこそこ使えるHDRIが得られると思います。

iOSデバイスに限らず、THETA Sとネットワーク接続できるデバイスで、なおかつ標準的なPythonを実行できるなら同じように使用できるはずです。

というわけで、需要がありそうなのでソースコードを公開します。

時間の関係で良い作例の用意ができていませんが、そのうち貼りたいと思います。

・使い方

1:デバイスとTHETA Sをネットワーク接続接続します

2:下記スクリプトをデバイス内のPython実行環境で実行します
当方は、iPhone6S+上で iOS用のPython 2.7 というアプリを使用しています。

3:撮影されたJPEG画像をHDR ShopLuminance HDRなどを使ってHDRIにします

・設定

設定の変更を行うにはコードを直接書き換える必要があります。
撮影枚数は、ThetaSettingsの evs で指定されているEV値の数で指定されます。
撮影ごとにリスト内のEV値がそれぞれ使用されます。

・EV値と撮影枚数の設定

指定できるEV値は、上記の Full で指定されている13個の値になります。
THETA Sは一枚撮影するごとに内部処理に約8秒ほどかかるようなので、撮影枚数が多くなると時間がかかります。
必要に応じ、不要な値を削除するなどして調整してください。

・各種オプションの設定

現在は、上記を指定できます。
必要に応じ、RICOH THETA API v2 Referenceを参照して値を設定してください。
といいつつおそらく上記の中では iso と _shutterVolume くらいしかいじらないと思います。

・_shutterVolume
0−100の間で指定します。0が無音です。

・iso
以下の値が使えます
100, 125, 160, 200, 250, 320, 400, 500, 640, 800, 1000, 1250, 1600

過去に作成したツールのご紹介

リンク

テクニカルアーティストを自称しているのに、あまりにも普段からツールネタが少ないのはどうかと思っていたところ、許可がいただけたので、自分がこれまで作ってきたツールの一部を載せてみたいと思います。

ご興味のある方はどうぞご覧ください。

 

書籍「マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部」

良いツールの要素とはなんだろうと考えた時、第一に安定性や機能の豊富さ等が挙げられると思いますが、それと同程度以上に必要な要素とは、ユーザにとっての使い易さやわかり易さなのではないかと思います。

ツールに含まれる動作一つをマイクロインタラクションと呼びます。
マイクロインタラクションは、トリガールールフィードバックループとモードの4ステップに分割して考えることができます。

トリガー : 動作が起こるきっかけ
ルール : 動作内容
フィードバック : ルールにより引き起こされる反応
ループとモード : ルールの長期的な動作

本書では、ツール設計の際、いかに良いマイクロインタラクションを設計し、ユーザーフレンドリーなツールをつくり上げるかに焦点を当てながら、既存のWebサイトやソフトウェアからGUIを抜粋し具体例として挙げ、それらの良い点と悪い点を考察します。

ツールを作るとき、理解しやすく使いやすいツールにしたいと考えるけれど、その方法に明確な指標を持てておらず、結果的にユーザの操作に対して反応がぎこちなく、分かりにくいツールになってしまう悩みを持っているような方には特にお勧めしたい一冊です。

Maya – リソースイメージを抽出

ツールのGUIを作ってる時、Mayaのリソースイメージをそのまま流用したいことがある。
わざわざキャプチャしたりするのは面倒なので、上記のコマンドでごっそりイメージファイルを抜き取って、必要なアイコンを使ってしまおう。


こんな感じで簡単にアイコンを抽出出来た。

Python SOPでデフォーマーを作ってみる

リクエストがあったのでVOP SOPのような処理をPython SOPで行う方法を書いてみる。
とりあえず、ノード構成はこんな感じでやってみる。

■Python SOP

myDeformerはPython SOP
Python SOPはデフォルトの状態だと以下のようにコードが記述されている。

 

hou.pwd()はPython SOP自身のノードオブジェクトを返す。
Node.geometry()は自身に入力されたhou.Geometry型のジオメトリオブジェクトを返す。

geometryの中にはPointやEdgeやPrimitive型のオブジェクトが含まれており、実際に形状や色を変更する際は、これらのコンポーネントオブジェクトを取得して操作する。

■コンポーネントの取得

■Pointリストの取得
points = geo.points()

■Primitiveリストの取得
prims = geo.prims()

それぞれのコンポーネントに一律の処理を行うには?

 

 

■pointを移動してみるサンプル

 

 

・Gridを変形

・Sphereを変形

■各オブジェクトのリファレンスマニュアル

各オブジェクトの使い方は以下のマニュアルを参照すべし

・hou.Geometry
http://sidefx.jp/doc/hom/hou/Geometry.html

・hou.Point
http://sidefx.jp/doc/hom/hou/Point.html

・hou.Prim
http://sidefx.jp/doc/hom/hou/Prim.html