KINGSGLAIVEセミナーおさらい プロテス – サンプルhiplcファイルあり

先週と同様、Indyzone主催のHoudiniセミナー「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV メイキングストーリー」のおさらいをしていました。

というわけで、今日はプロテスのエフェクトです。

今回もサンプルファイルを付けてみました。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。

■ダウンロード(One Drive)
MYAM_imitation_FF_KINGSGLAIVE_Protes.zip

zipファイル解凍後に出てくるHoudiniProjectフォルダにSetProjectしてからシーンを開いてください。


■シーンファイルに関して

うろ覚えではあるのですが、セミナーの説明では、@Cdアトリビュートを利用してプロテスエフェクトの「生成、再生、破壊」の振る舞いを決める部分で、ベースになるプロテス障壁の形状を分流してそれぞれを個別のグループに入れながらPaintSOPなどで@Cdの設定を行い、最後にMergeSOPで各データフローを統合してから、最終的に使用しないグループに含まれる成分を削除するという解説だったように思います。

今回は、この部分を極力簡略化し、カラーを独自アトリビュートに変換したあとでAttributeTransferSOPでレンダーモデルに転送する方法を試してみました。
空間転写は処理負荷が高いので、もう少し上手に軽い方法を使えばよかったと思っていたりします。


何か間違いなどあればご遠慮無くツッコミください。
とても喜びます。

KINGSGLAIVEセミナーおさらい ワープエフェクト – サンプルhiplcファイルあり



三連休でやっと時間が取れたこともあり、少し前に行われたIndyzone主催のHoudiniセミナー「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV メイキングストーリー」のおさらいをしています。

というわけで、とりあえず手始めに今日はワープエフェクトに関してです。

今回もサンプルファイルを付けてみました。
完全な再現とまでは行かなくとも、ボリュームと移流の扱い方に関しては、だいたい再現できていると思います。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。

■ダウンロード(One Drive)
MYAM_imitation_FF_KINGSGLAIVE_WarpFX

※ノード名がセミナー中の説明と合ってなかったので、修正しました

zipファイル解凍後に出てくるHoudiniProjectフォルダにSetProjectしてからシーンを開いてください。


概要

ワープエフェクトは、5つの単純な要素を組み合わせて作ります。

  • Spark:火花
    荒いボリュームからパーティクルへ力を渡し、移流して動かします
    その後、TrailSOPなどを使用して火花っぽい見た目を作ります。
  • Ash:灰
    Spark同様に移流してパーティクルを動かします。
    その後、灰オブジェクトをパーティクル上にコピーします。
  • Fire:小さな火の玉
    Spark同様に移流してパーティクルを動かします。
    その後、あらかじめ作成しておいた火の玉シミュレーションのキャッシュをパーティクル上にコピーします。
    その際、キャッシュのスタート時間をランダム化して見た目にばらつきをもたせます。
  • Steam:体から立ち上る蒸気
    Sparkなどで使用する荒いボリュームを複製後に編集し、高解像度化したボリュームを蒸気として使用しました。
  • Crystal:体から飛び散るクリスタル片
    初速と重力によって動く単純なパーティクルにクリスタル片オブジェクトをコピーして作ります。

一見複雑なワープエフェクトは、実は単純な要素を組み合わせて作られています。


シーンファイルについて

スケール調整の手間を省いたので、現実スケールに対しシーンスケールが大きめになっているため、ダイナミクスオブジェクトの動きが若干遅く感じられると思います。


何か間違いなどあればご遠慮無くツッコミください。
とても喜びます。

Houdini – 基本的なデータの取り回し方(サンプルファイルあり)

Houdiniを触り始めた頃、アトリビュートや変数のデータの取り回し方がわかりにくいと感じていました。
中でも特にローカル変数の挙動がよく理解できずに、正しく値を操作できても何だか狐につままれたような気持ちになっていました。

最近はそのようなこともなくなり、意図したとおりに値を操作できるようになってきたので、実践している値の取り回し方を備忘録的な意味で書いてみます。

今回もまたちょっとしたサンプルファイルをつけてみます。

■ダウンロード(One Drive)
MYAM_attributeAccess_exsample


Houdiniで扱うデータのスコープ

Houdiniの中で主にユーザーが直接扱うデータには、以下のようにいくつかの種類とスコープがあります。

  • グローバル変数
  • ローカル変数
  • パラメータ
  • アトリビュート

Houdiniに触り始めた頃、わかりにくいと感じていた部分が、ローカル変数とパラメータとアトリビュートの相互の関係性です。

※グローバル変数は、環境に依存しすぎる気がするので、最近でも極力手を付けないようにしています。(パス文字列の簡略化などに使えばとても便利ですが)
よって、今回の記事では扱いません。


なにがわかりにくかったのか?

さまざまなチュートリアルを見ると、Attribute Create SOPを使い、アトリビュートを作成すると同時にローカル変数も定義して、下流のパラメータエクスプレッションの中でローカル変数を参照して処理をするやり方が散見されます。

これは勝手な印象ですが、特に古いバージョンのチュートリアルで顕著だったように思います。

チュートリアルの後、自分なりに実践してみてうまく値を扱えない時に感じたのが

  • データフローの上流で作ったはずのローカル変数が下流で参照できない・・・
  • と思ったらなぜか使える場合があったりする・・・
  • オペレータの性質から想像するに、マニュアルを引くまでもなく明らかに使えそうに思えるローカル変数が使えない・・・
  • オペレータのリファレンスマニュアルに記載されてるローカル変数が使えない・・・
  • アトリビュートを直接操作したい・・・ローカル変数を参照できない理由がわからない・・・まるで異次元に迷い込んだようだ・・・地獄だ・・・

といったあたりです。
平たく言うと

「ローカル変数が値の操作を混乱させる諸悪の根源」

のように感じていたわけです。


デジタルアセットとローカル変数の罠

また、このローカル変数というやつは、デジタルアセット上で使用できないという、恐るべき制約も手伝って、更に話をややこしくしています。
※ColorSOPのマニュアルに記載あり。
もしかしたら、全デジタルアセットの性質ということではなく、ColorSOPに限った話かもしれません

例えば、Color SOPはデジタルアセットで、Colorパラメータ内ではローカル変数を使用できません。上流で独自アトリビュートを作成し独自のローカル変数を作っても参照できません。

紛らわしいことに、そもそもColorSOP自体、上流で@Cdアトリビュート操作があることを想定していません。あくまでも@Cd操作の開始点として使用する前提です。

このような場合、Color SOPではなくPoint SOPを使用し、その中でローカル変数を参照することで問題なく@Cdアトリビュートを直接操作できます。

このような紛らわしさもまた、一つの地雷と言えそうです。


ローカル変数よ、さようなら

ではどうすればいいのか。

結論を言うと、Attribute Wrangle SOPを介してアトリビュートを直接管理や操作をするのがベストだと考えています。

最近のバージョンでは、VEX周りがかなり進化しています。
Attribute Wrangle SOP内だけでなく、各オペレータのパラメータエクスプレッションでも、VEXのように@記法で直接アトリビュートを参照したり、それができない場合でもpoint関数などを使ってアトリビュートを直接参照する事ができます。

値の管理と操作を、一貫したVEXの世界で行えるのは、この上なくシンプルで理想的です。
今のところこの方法で困ったことは一度もありません。

よって、もう、ローカル変数の出番は無いとすら思います。


まとめ

というわけで、今考えているわかりやすくデータを取り回すための方策は以下の通りです

  • アトリビュートの作成にはAttribute Wrangle SOPを使う
  • アトリビュートの操作にはAttribute Wrangle SOPやAttribute VOP SOPを使う
  • アトリビュートの参照は@記法を使って直接参照する
    またはpoint関数などのアトリビュート値を直接取得する関数を使う
  • ローカル変数は使わない
    $CEXなど便利なローカル変数はあるが、同様のVEX関数もあるのでそちらを使うようにする。

これが同じ悩みを持つ方の一助となれば幸いです。

何か間違いなどあれば遠慮なくツッコミをください。

“NATURE OF CODE” in Houdini – 002 – 力

長い間、仕事ではパイプライン系ツールを書くことが多くなり、幾何学や物理などの数学とはだいぶ疎遠になってしまいました。

最近になって、やっとHoudiniを業務で使用させてもらえる環境が与えられたこともあり、これも良い機会ということで、これからしばらくの間、数学の勉強や復習とリハビリを兼ね、Processingの名著 [NATURE OF CODE] の内容を、Houdiniを使って追いかけていきたいと思います。




 

■動画内容の御品書

  1. シンプルな力
    単純な力を与えて動かす。
  2. 力と質量
    質量を考慮しながらシンプルな力(重力+風)を与えて動かす。
    小さいものほど風の影響を受けやすく水平方向によく動く。
  3. 力と摩擦
    摩擦による減速。
  4. 力と流体抵抗
    Y=0の位置から流体があると仮定し、ポイントが抵抗を受ける。
    この流体の範囲に入った時、ポイントは赤くなります。
  5. 引力(固定アトラクタ)
    原点の位置に引力を発生するポイントを配置し固定。
    その他のポイントは原点のポイントと引き合う。
  6. 引力(ポイントの相互作用)
    各ポイントはそれぞれ相互に引き合う力を持っている。
    質量や引力の設定にもよるが、小さな塊ができ、それぞれの塊が引き合い徐々に大きな塊になっていく。(ポイント半径に合わせたコリジョンは設定していないので、実際には、塊は大きくなりません。)

2.0 Houdiniの単位系

Houdiniは標準的なSI単位を採用している。
https://www.sidefx.com/docs/houdini15.0/dyno/about
http://www.cranenet.or.jp/tisiki/si.html

2.1 力とニュートンの運動の法則

力とは、質量を持った物体に加速度を生じさせるベクトル。

・ニュートンの運動の第1法則(慣性)

静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は不平衡力の影響を受けないかぎり、一定の速さで一定の方向へ運動を続ける。

・ニュートンの運動の第3法則(作用・反作用)

力は常に反作用が対になって生じ、その強さは等しく、向きは正反対である。

-F[N]

 押し合う物体の質量が違う場合や、接地面の摩擦力が違う場合、同じ力が加わってもそれぞれの物体が静止し続けるとは限らない。

2.2 力とProcessing

・ニュートンの運動の第2法則(運動方程式)

質量(m)に加速度(A)を掛けあわせると力(F)になる。

・重量と質量

  • 質量(m):物体内の物質の量[kg]
  • 重量(W):物体にかかる重力[N]
  • 密度(Density):単位体積(m^3)あたりの質量(kg)

2.3 力の積算

書籍では質量を1として計算し、F=Aとして簡単化する。

通常、物体にはいくつかの外力が同時に作用する。
そのような場合、全外力の合計値を使用する。
物体に働く力は、特殊な状況を除いて常に変化し、積算されないので、毎フレームで新たな値を計算して使用する。

windForceやgravityForceなどを追加してみる。

2.4 質量

先に計算された外力を質量で割ることで、各ポイントごとに設定された質量を考慮したシミュレーションが行われる。

2.5 力の作成

・力の作り方

  • 直接指定
    自由に直接指定する
  • シミュレーション
    物理公式などを利用し、計算する。

2.6 地球と重力と力のシミュレーション

この時点では、質量が小さいものほど重力の影響を強く受けるようになっている。
物体の落下速度は、その質量にかかわらず一定。
重力加速度の式から正しい加速度を求めて適用するため、重力に質量を掛けあわせてる。

2.7 摩擦

摩擦は散逸力(非保存力)。

※散逸は、抵抗力によって運動エネルギーを熱エネルギーに変換する現象。
散逸力とは、摩擦力などのエネルギーを減少し、別の力に変換させる力。
車のブレーキなどは運動エネルギーを熱エネルギーに変換。

・摩擦の種類

  • 静止摩擦
    接触面に対し静止している物体が受けている摩擦
  • 動摩擦
    動いている物体が接触面から受ける摩擦

摩擦の方向は速度方向の逆。

・摩擦の公式

・公式を使用する際のポイント

  • 右辺を計算し、左辺に代入する。
  • 変数がベクトルかスカラーかを見極める。
  • 記号が隣り合っている場合は乗算を表す。

■各項の意味

  • F friction:摩擦により働く力

  • μ:摩擦係数

    特定の表面上に生じる摩擦力の強さ。

  • N:垂直抗力
    物体が接触面から受ける反作用で接触面に対して垂直方向に物体を押し返す力。
    物体が接触面から受ける垂直抗力の大きさは物体の質量に比例する。
  • v:正規化済みの速度ベクトル
    式中の-1と掛けわせることで摩擦による力の発生する方向を取得する。
    この場合、速度ベクトルの真逆方向に摩擦力による力が発生する。

2.8 空気抵抗と流体抵抗

物体が空気や液体(流体)の中を通り抜けるとき、抵抗力が働く。
これは、粘性力(Viscous Force)や抗力(Drag Force)、流体抵抗(Fluid Resistance)などと呼ばれる。

・流体抵抗の公式

■各項の意味

  • F drag:流体を物体が通り抜ける際に働く抗力
  • 1/2:定数
  • ρ(rho):流体の密度
  • v^2:速度ベクトルの長さの2乗
  • A:進行方を向いている面の表面積
  • Cd:抗力係数、自由に決定する
  • v:正規化された速度ベクトル

2.9 重力

■重力の公式

■各項の意味

  • F gravity:重力
  • G:万有引力定数、独自の値を使っても面白い。
  • m1とm2:相互に作用する2つの物体が持つそれぞれの質量。
  • r:物体間の距離ベクトルを正規化したベクトル。物体同士が引き合う方向。
  • r^2:物体間の距離の2乗。
    物体同士が引き合う力は距離が長いほど弱くなり、近いほど強くなる。

2.10 相互引力と反発

2.9の計算を、各ポイント間で計算し、毎フレーム全ポイントの影響を合計して適用する。


何か間違いがあればツッコミをいただけると助かります。